ロックの源流の影響系譜
ロックンロールもハードロックもヘヴィメタルも、たどれば同じ二本の水源に行き着く。ミシシッピのデルタ・ブルースと、それを電化したシカゴのブルースだ。 そこにChuck Berryのロックンロールが加わり、海を渡って1960年代のイギリスの若者に火をつけた。 Eric Claptonはロバート・ジョンソンを「自分の最も重要な唯一の影響」と呼び、Rolling Stonesはマディ・ウォーターズの曲名からバンド名を採った。 その水源が、Beatles・Stones・Yardbirds・Cream・Led Zeppelinを経て、Black Sabbathというヘヴィメタルの入口まで一本につながる。 年表ビューに切り替えれば、この源流から下流への流れがそのまま縦に伸びて見える。
二本の水源 — ブルースとロックンロール
すべての起点はデルタ・ブルースにある。Son HouseとRobert Johnsonの音を、17歳のマディ・ウォーターズが真似てギターを覚えた。 マディはやがてシカゴでブルースを電化し、その一曲"Rollin' Stone"が海の向こうの若者バンドにそのままバンド名を与えることになる。 もう一本の水源がChuck Berryだ。Berryはブルース、とりわけマディに惹かれて1955年に親交を結び、そこからロックンロールを組み立てた。 Pete Townshend(The Who)は「チャック・ベリーを聴いて初めて言葉で何ができるか分かった」と語り、Beach Boysの"Surfin' USA"はBerryの"Sweet Little Sixteen"の曲構造にサーフ詞を乗せたものだ。 後の英国ロックの語彙は、この二本の水源の合流点から引かれている。
ブルースが増幅される — Yardbirdsという回路
アメリカのブルースを英国で増幅した回路が、The Yardbirdsだ。彼らのレパートリーはHowlin' WolfやMuddy Waters、Bo Diddleyのシカゴ・ブルースに由来する。 1963年にそのYardbirdsへ加入したEric Claptonが、学んだブルースの教訓をそのままCreamへ持ち込んだ。Creamもデビュー作でマディの"Rollin' and Tumblin'"をカバーしている。 Led Zeppelinも同じ回路の延長にある。当初は「ニュー・ヤードバーズ」を名乗り、"The Lemon Song"や"Whole Lotta Love"ではHowlin' WolfとWillie Dixonに事後的にクレジットが付与された。 つまりZeppelinの轟音は、増幅されたブルースの音量そのものだった。ここで矢印が一気に太くなる。


ハードロックという分岐点
CreamとLed Zeppelinが押し上げた「重さ」が、ロックを次の段へ運ぶ。 Black SabbathのGeezer Butlerはクリームのジャック・ブルースのベースが自分の冒険的なスタイルを触発したと語り、Sabbath自体はZeppelinやCreamの影響下で結成されたと見なされている。 Queenのブライアン・メイは「ジミー・ペイジに多くを負っている」と認め、Jimi Hendrixについては「ジミは僕の一番。彼から学び続けている」とも語った。 ここがハードロックとヘヴィメタルの分岐点だ。Black Sabbathのノードをクリックすれば、この先の「ヘヴィメタル」シーンへ枝が伸びていく。

音を作った機材
なぜその音になったのか、ならばどの機材なのか。本人の発言と評伝を一次資料に、一台ずつ裏を取って並べた。
Jimi Hendrix
- GuitarFender Stratocaster(右利き用を左手で)
右利き用のストラトを上下逆さに構え、左手で弾いた。ペグの位置も弦の張力配分も本来と反転するため、高音の抜けとアームの効きが通常のストラトとは異なる。あの音色の一因は、この構え方そのものにある。
Amazon楽天出典 - EffectDallas Arbiter Fuzz Face
ゲルマニウム・トランジスタ期のファズ。ギター側のボリュームを絞ると歪みが退いてクリーンに近づく。この可変幅を、右手のボリューム操作だけで曲中に弾き分けた。
Amazon楽天出典 - AmpMarshall Super Lead 100W スタック
歪ませたフルスタックの爆音が音の土台をなす。ファズ、ワウ、Uni-Vibe を通した信号も、この音量で鳴らして初めてあのサウンドとして成立した。
Amazon楽天出典
Eric Clapton
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出典(本人公言・評論の一部)
- Son House → Robert Johnson:出典(Son Houseはロバート・ジョンソンとマディ・ウォーターズに大きな影響を与えデルタブルースの音を作った)
- Son House → Muddy Waters:出典(マディは地元のブルース奏者Son HouseとRobert Johnsonを模倣して育った)
- Robert Johnson → Muddy Waters:出典(マディは17歳でSon HouseとRobert Johnsonを真似てギターを覚えた)
- Arthur Crudup → Elvis Presley:出典(プレスリーは「もし野心があったとすればArthur Crudupと同じくらい上手くなることだった」と語った)
- Muddy Waters → Chuck Berry:出典(チャック・ベリーはブルース特にマディ・ウォーターズに惹かれ1955年に親交を結んだ)
- Chuck Berry → The Beatles:出典(エルヴィス以外で若きビートルズに最も影響を与えたのはチャック・ベリーだった)
- Little Richard → The Beatles:出典(ビートルズは1962年にリトル・リチャードの前座を務め彼のエネルギッシュな歌唱に影響を受けた)
- Elvis Presley → The Beatles:出典(エルヴィスのカリスマとジャンル融合がビートルズの音楽的多様性のモデルになった)
- Chuck Berry → The Rolling Stones:出典(1960〜70年代にベリーの音楽がビートルズやローリング・ストーンズらの着想源になった)
- Muddy Waters → The Rolling Stones:出典(マディの曲Rollin' Stoneが英国の若者バンドにバンド名を採らせストーンズになった)
- Chuck Berry → The Beach Boys:出典(Surfin' USAはチャック・ベリーのSweet Little Sixteenの曲構造にサーフ詞を乗せたもの)
- Big Bill Broonzy → The Kinks:出典(レイ・デイヴィスはYou Really Got MeをLead BellyとBig Bill Broonzyへのトリビュートとして書いた)
- Chuck Berry → The Who:出典(タウンゼンドは「チャック・ベリーを聴いて初めて言葉で何ができるか分かった」と語った)
- Bo Diddley → The Who:出典(タウンゼンドの初期インスピレーションにJohn Lee HookerやBo Diddley、Chuck Berryが挙がる)
- Howlin' Wolf → The Yardbirds:出典(ヤードバーズのレパートリーはHowlin' WolfやMuddy Waters、Bo Diddleyのシカゴブルースに由来した)
- Bo Diddley → The Yardbirds:出典(ヤードバーズはBo DiddleyのI'm a ManやHowlin' WolfのSmokestack Lightningをカバーした)
- Robert Johnson → Eric Clapton:出典(クラプトンはロバート・ジョンソンを「自分の最も重要な唯一の影響」と語っている)
- Muddy Waters → Eric Clapton:出典(クラプトンは自伝でマディ・ウォーターズを「持てなかった父のような存在」と呼んだ)
- The Yardbirds → Eric Clapton:出典(クラプトンは1963年にヤードバーズに加入しシカゴブルースを統合して独自スタイルを築いた)
- Muddy Waters → Cream:出典(クリームもマディに影響を求め彼のRollin' and Tumblin'をデビュー作でカバーした)
- The Yardbirds → Cream:出典(クラプトンはヤードバーズで学んだブルースの教訓をクリームに持ち込んだ)
- Muddy Waters → Jimi Hendrix:出典(ヘンドリックスは「初めて聴いたとき怖くて死にそうだった」と語るほどマディに影響を受けた)
- Howlin' Wolf → Led Zeppelin:出典(The Lemon SongやHow Many More TimesはHowlin' Wolfの曲の再構築でWolfにクレジットが付与された)
- Willie Dixon → Led Zeppelin:出典(Whole Lotta LoveはディクソンのYou Need Loveに似ているとして訴訟になりディクソン側で和解した)
- The Yardbirds → Led Zeppelin:出典(レッド・ツェッペリンはヤードバーズから発展し当初「ニュー・ヤードバーズ」と名乗っていた)
- Bob Dylan → The Beatles:出典(ディランは恋愛以外を歌にできると伝えビートルズのRubber Soulはディランに強く影響された)
- Cream → Led Zeppelin:出典(クリームはロック・ブルース・メタルとLed ZeppelinやDeep Purple、Black Sabbathらに多大な影響を与えた)
- Cream → Black Sabbath:出典(ギーザー・バトラーはクリームのジャック・ブルースのベースが自分の冒険的スタイルを触発したと語る)
- Cream → Deep Purple:出典(クリームはLed ZeppelinやDeep Purpleなど後続のハードロック勢に大きな影響を与えた)
- Led Zeppelin → Black Sabbath:出典(ブラック・サバスはLed ZeppelinやCream、John Mayallら英ブルースバンドの影響下で結成された)
- Led Zeppelin → Deep Purple:出典(レッド・ツェッペリンはDeep PurpleやBlack Sabbath、Aerosmithらハードロック・ヘヴィメタルに影響を与えた)
- Led Zeppelin → Aerosmith:出典(エアロスミスはビートルズ、ストーンズ、ヤードバーズ、レッド・ツェッペリンらに影響を受けた)
- The Rolling Stones → Aerosmith:出典(ベースのトム・ハミルトンはビートルズ、次にストーンズとヤードバーズを最大の影響に挙げた)
- The Yardbirds → Aerosmith:出典(スティーヴン・タイラーはヤードバーズに触発されWalk This Wayのリフを作ったと語った)
- Led Zeppelin → Queen:出典(ブライアン・メイは「ジミー・ペイジに多くを負っている」と語りツェッペリンの影響を認めた)
- Jimi Hendrix → Queen:出典(ブライアン・メイは「ジミは僕の一番。彼から学び続けている」と語った)
- The Rolling Stones → Lynyrd Skynyrd:出典(ヴァン・ザント、ロッシントン、コリンズはエド・サリヴァン・ショーでストーンズを見て音楽に転向した)
- Cream → Lynyrd Skynyrd:出典(ロッシントンによればスキナードはCream、Yardbirds、Free、Animals、Stones、Beatlesに影響を受けた)