系譜ロック

グランジ/オルタナティブの影響系譜

系譜
▶ この系譜を旅するExplore

グランジは無から湧いたのではない。1980年代のシアトルで、複数の血が一度に合流して固まった音だ。 Black Sabbathの重さ、Melvinsの泥沼のような遅さ、The Stoogesのパンク衝動、Pixiesの静と動のダイナミクスが、Nirvana・Soundgarden・Pearl Jam・Alice in Chainsという核に流れ込む。 そのCobainは「自分は基本的にPixiesをパクろうとしていた」と認めているし、Chris Cornellは「Black Sabbathが自分をKISSファンから救った」と語る。 源流を辿れば1960年代のロックまで、下流を辿ればFoo FightersやCreedのポストグランジまで届く。 年表ビューに切り替えれば、この源流から子孫までの流れがそのまま縦に伸びて見える。

スクロール/ピンチで拡大・ドラッグで移動
★ 大物 ルーツ 中核 子孫実線=本人公言 / 細線=評論 / 破線=派生
ノードをクリックすると、その影響元・影響先だけが光ります。

重さの根 - サバスとメルヴィンズ

グランジの重さは二つの源から来ている。一つはBlack Sabbath。Chris Cornellは「サバスが自分をKISSファンから救ってくれた」と語り、暗く重いテーマの根がそこにあると述べた。 Alice in ChainsのJerry Cantrellはさらに直接的で、「まず第一に自分は大のサバスファンで、彼らが我々最大の影響だ」と言い切っている。 もう一つがMelvinsだ。同じシアトル圏で先に鳴っていた彼らの遅く重い音を、NirvanaもSoundgardenもAlice in Chainsも「グランジの源を作った」バンドとして認めている。 そのMelvinsのスラッジ自体、遅く重いサバス的リフを源流に持つと評される。重さは一本の系統で受け継がれた。

Dirt — Alice in Chains
DirtAlice in Chains1992
Amazon楽天

ノイズとパンク - ピクシーズと地下水脈

重さだけではグランジにならない。もう一つの血がパンクとノイズだ。 Kurt Cobainは「自分は基本的にPixiesをパクろうとしていた」と認め、静かに始めて急に爆発するあのダイナミクスを借りたと語った。 Pixiesの背後にはさらにThe Stoogesがいて、ブラック・フランシスはイギー・ポップの『The Idiot』『Lust for Life』に夢中だったと述べている。 同じThe Stoogesは、Mark Armが「バンド始動時はストゥージズやワイパーズに影響された音を作ろうとした」と語るMudhoneyにも、そしてSonic Youthにも流れ込んだ。 Green Riverはストゥージズから引き出した泥臭いパンクとメタルの雑種を鳴らし、解散後にその面々がMudhoneyとPearl Jamへ枝分かれしていく。

子孫 - メインストリーム化とその影

Nirvanaの『Nevermind』が爆発すると、グランジは一気に商業の中心へ押し上げられ、Smashing Pumpkinsら同世代の大衆化を導いた。

Nevermind — Nirvana
NevermindNirvana1991
Amazon楽天
Ten — Pearl Jam
TenPearl Jam1991
Amazon楽天

元NirvanaのDave Grohlは解散と同年にFoo Fightersを結成する。ただしGrohl自身の骨は別のところにあり、ボブ・モールド/ハスカー・ドゥから曲作りとギターを学び「誰よりも多くを負っている」と認めている。 Bushのギャヴィン・ロスデイルは「ニルヴァーナは大きな影響で、触媒として我々に演奏を促した」と語り、Pixiesを「最も影響力のあるバンド」とも呼んだ。 Creedについては、Scott Stappの歌い方がEddie Vedderに酷似すると繰り返し指摘された。影響が露骨すぎると、それは批判の言葉に変わる。 各ノードをクリックすれば、元ネタと子孫だけが残り、その枝の先のページへ飛べる。

出典(本人公言・評論の一部)