系譜メタル

ストーナーメタル/砂漠ロックの影響系譜

系譜
▶ この系譜を旅するExplore

このジャンルは、たった一本のリフから始まっている。Black Sabbathの低く巨大なリフを軸に、Blue Cheerの音量とHawkwindのスペースロックのジャム感を溶かし込んだ轟音が、その原型だ。 1980年代後半、カリフォルニアの砂漠で発電機を回したジェネレーター・パーティが震源となり、そこからKyussが「砂漠ロック」の輪郭を切り出した。 同じ頃サンフランシスコのSleepは、Sabbathのヘヴィネスを極限まで引き延ばす。 Kyussの解散後、そのメンバーが四方に散り、SleepもHigh on FireとOmへ割れて、一つのシーンが世界中の枝に増えた。 年表ビューに切り替えれば、砂漠の一点から広がっていく時間の流れが縦に伸びて見える。

スクロール/ピンチで拡大・ドラッグで移動
★ 大物 ルーツ 中核 子孫実線=本人公言 / 細線=評論 / 破線=派生
ノードをクリックすると、その影響元・影響先だけが光ります。

すべての低音はSabbathに遡る

このシーンの重さの出所を一つに絞るなら、Black Sabbathだ。1993年に活動を始めたElectric Wizardは、バンド名そのものをSabbathの2曲から取っている。 Sabbath直系の重さはSaint Vitusにも流れ込み、そのSaint Vitusがまた、後続のElectric Wizardに影響したと語られる。 だが低音だけでは砂漠の音にならない。そこにHawkwindのスペースロックが加わる。Monster Magnetのデイヴ・ワインドーフは、Hawkwindからの影響を絶大なものとして繰り返し挙げてきた。 Blue Cheerの歪みと音量、MC5やThe Stoogesのガレージの粗さも合流し、ファズまみれの厚い土台が組み上がった。

砂漠で音が形になる

音がジャンルへと固まるのは、1980年代のカリフォルニア内陸、パーム・デザートでのことだ。 砂漠で発電機を回して鳴らしたYawning Manのジャムは、この地のシーンの中核となり、Josh Homme、John Garcia、Brant Bjorkら次の世代に影響を与えたとされる。 彼らのバンドKyussは、『Welcome to Sky Valley』で砂漠ロックの型を定義したと評される。 そしてBjork自身も、Sabbathのリフから受けた影響を証言している。ここが、雑多な源流の矢印が一点に集まる結節点だ。

Welcome to Sky Valley — Kyuss
Welcome to Sky ValleyKyuss1994
Amazon楽天

解散から枝が伸びる

砂漠ロックの広がりの多くは、バンドの解散から始まっている。Kyussが解けると、Josh HommeはQueens of the Stone Ageを結成し、ストーナーを最も商業的な場所まで押し上げた。 John GarciaはSlo BurnやUnidaへ、Brant Bjorkはソロやその後のバンドへと散っていく。 サンフランシスコのSleepも同じだ。『Holy Mountain』がストーナーメタル初期の一枚とされたのち、Matt PikeはHigh on Fireを、Al CisnerosはOmを立ち上げた。 Fu Manchuを抜けたエディ・グラスとルース・ロマーノがNebulaを組んだように、脱退がそのまま次のノードを生む。各ノードをクリックすれば、その枝がどこまで伸びたか辿れる。

Songs for the Deaf — Queens of the Stone Age
Songs for the DeafQueens of the Stone Age2002
Amazon楽天
Dopesmoker — Sleep
DopesmokerSleep2003
Amazon楽天

出典(本人公言・評論の一部)