J-ROCK/ヴィジュアル系の影響系譜
ヴィジュアル系は、海外の轟音と化粧だけでは組み上がらない。YOSHIKIはKISSに出会ってドラムとギターを始め、 アイアン・メイデンの『鋼鉄の処女』『キラーズ』を、そのパンク成分ごと好きなアルバムに挙げた。 だがX JAPANの化粧の下には、BOØWYやDEAD END、BUCK-TICKという国内の祖が同時に流れている。 欧米のグラムメタルと国産の耽美が交わった地点に、このシーンは立っている。 下のグラフは、その二重の源流からX JAPAN・LUNA SEA・GLAY・L'Arc-en-Ciel、 そしてDIR EN GREYやMUCC、ナイトメアまでを、本人の発言と評論を出典に矢印で結んだものだ。
海外の源流 — KISSとアイアン・メイデン
海外側の入口は、様式美よりも轟音とパンクの側にある。YOSHIKIはKISSの音楽でドラムとギターを始め、 NOISEバンド時代にはレッド・ツェッペリンやレインボーのコピーを弾いていた。 アイアン・メイデンについては『鋼鉄の処女』『キラーズ』を好きなアルバムに挙げ、特にそのパンク要素を好んだと語っている。 hideもまた、KISSのエース・フレーリーとアイアン・メイデンを影響源に数える。 欧米の評論はこの系統を、KISSやMötley Crüe、Hanoi Rocks、Twisted Sisterに影響された新形態と見なしている。
国内の祖 — DEAD ENDとBUCK-TICK
国内側で最も多くの矢印を出しているのが、DEAD ENDとBUCK-TICKだ。ここがシーンの結節点にあたる。 DEAD ENDのMORRIEを、黒夢の清春は名盤『DEAD LINE』とともに影響源として公言し、 Janne Da ArcもDEAD ENDの音楽性に大きく影響を受けたと記す。L'Arc-en-Cielは、その耽美なゴシックロックが初期に効いたとメンバー共通で挙げている。 BUCK-TICKの櫻井敦司は、机の上に貼られたその写真を見てロックスターを志したというDIR EN GREYの京や、 LUNA SEAのJ、MUCCの逹瑯にまで届いている。BOØWYはGLAYのTAKUROに「衝撃を受けた」と言わしめ、MUCCのMiyaは布袋のパーカッシブな奏法が自分を形作ったと述べた。
基準点になった X JAPAN と LUNA SEA
海外と国内の源流が合流した先で、X JAPANとLUNA SEAが次世代の基準点になる。 ナイトメアもalice nine.も、メンバー全員がこの二組に衝撃を受けてヴィジュアル系に目覚めたと語っている。 DIR EN GREYの京は、自ら影響を認めるアーティストにX JAPANを挙げた。 評論家・市川哲史は「ヴィジュアル系はhideから始まってhideで終わった」と評し、そのhideという存在をシーンの象徴に押し上げた。 源流の欧米バンドはこのサイトの「グラム/ヘアメタル」シーンへ繋がっている。各ノードをクリックすれば、その枝の先のページへ飛べる。



出典(本人公言・評論の一部)
- Kiss → X JAPAN:出典(YOSHIKIはKISSの音楽に出会ってドラムとギターを始めたと英語版Wikipediaに記載。)
- Iron Maiden → X JAPAN:出典(YOSHIKIはアイアン・メイデンの『鋼鉄の処女』『キラーズ』を好きなアルバムに挙げ、特にパンク要素を好んだ。)
- Sex Pistols → X JAPAN:出典(YOSHIKIはセックス・ピストルズやザ・クラッシュ、G.B.H.等を気に入ってよく聴いていた。)
- Kiss → hide:出典(hideはキッス(特にエース・フレーリー)、ザ・クラッシュ、アイアン・メイデン等から影響を受けたと記載。)
- Mötley Crüe → D'ERLANGER:出典(SeelaはMötley Crüeを好きなバンドに挙げ、Nikki Sixxをアイドルと公言。)
- DEAD END → D'ERLANGER:出典(CipherはThe Cure, Love and Rockets, Dead Endを好んだと記載。)
- The Cure → LUNA SEA:出典(SUGIZOらがバウハウスやSex Gang Children等のゴシックロックから初期に影響を受けたと記載。)
- Bauhaus → LUNA SEA:出典(LUNA SEA初期はバウハウスやSex Gang Children等ゴシックロックの影響を受けた。)
- The Cure → L'Arc-en-Ciel:出典(メンバー4人共通で好きなアーティストとしてザ・キュアーやデペッシュ・モードが挙げられている。)
- DEAD END → L'Arc-en-Ciel:出典(メンバー4人共通でDEAD ENDを好み、その耽美なゴシックロックが初期に影響を与えたと記載。)
- DEAD END → 黒夢:出典(清春はDEAD ENDのMORRIEから影響を公言し、名盤に『DEAD LINE』を挙げている。)
- DEAD END → Janne Da Arc:出典(Janne Da ArcはもともとDEAD ENDの音楽性に大きく影響を受けていたと記載。)
- BOØWY → D'ERLANGER:出典(D'erlangerの全メンバーがBoøwyとBuck-Tickを影響力ある同時代バンドとして挙げた。)
- BUCK-TICK → D'ERLANGER:出典(D'erlangerのKyoとTetsuがBuck-Tickを好きなバンドの一つに挙げた。)
- BOØWY → MUCC:出典(MUCCのギターMiyaはBoøwyを大きな影響と語り、布袋のパーカッシブな奏法が自分を形作ったと述べた。)
- BUCK-TICK → MUCC:出典(MUCCの逹瑯は櫻井を最も影響を受けたボーカリストに挙げ、歌詞や佇まいも影響と語った。)
- BOØWY → GLAY:出典(TAKUROは1980年代以降BOØWYに強く影響を受け、アルバムに「衝撃を受けた」と語っている。)
- D'ERLANGER → LUNA SEA:出典(LUNA SEAのINORANは10代でD'erlangerに影響を受け、Cipherへの敬愛を度々表明した。)
- BUCK-TICK → LUNA SEA:出典(LUNA SEAのJはBuck-TickをLUNA SEA結成以来ずっと大きな影響だと語った。)
- BUCK-TICK → DIR EN GREY:出典(DIR EN GREYの京は同級生の机の上の櫻井の写真を見てロックスターを志した。)
- X JAPAN → DIR EN GREY:出典(京は自ら影響を認めるアーティストとしてX JAPANと中森明菜を挙げている。)
- X JAPAN → ナイトメア:出典(ナイトメアはメンバー全員がX JAPANやLUNA SEAから影響を受けたと公言している。)
- LUNA SEA → ナイトメア:出典(ナイトメアはメンバー全員がX JAPANやLUNA SEAから影響を受けたと公言している。)
- X JAPAN → alice nine.:出典(アリス九號.はメンバー全員10代前半にX JAPANやLUNA SEAに衝撃を受けヴィジュアル系に目覚めた。)
- LUNA SEA → alice nine.:出典(メンバー全員がX JAPANやLUNA SEAに衝撃を受けたことがヴィジュアル系のきっかけになった。)