系譜メタル

デスメタルの影響系譜

系譜
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デスメタルは、スラッシュのいちばん過激な枝から伸びた一本の系統だ。 最初の一撃は1985年のPossessed『Seven Churches』。Deathのチャック・シュルディナーは、これを繰り返し自身の「primary influence」に挙げている。 そこへSlayerの暴力性とCeltic Frostの暗さが流れ込み、音は二つの土地で別々に固まった。ひとつはフロリダ、もうひとつはストックホルム。 やがてこの幹はグラインドコア、テクニカル、メロディックデス、そして2000年代のメタルコアへと分岐していく。 下のグラフはその配線を本人発言と評論の出典で辿ったもので、年表ビューに切り替えれば結成年が縦に伸びた家系図になる。

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★ 大物 ルーツ 中核 子孫実線=本人公言 / 細線=評論 / 破線=派生
ノードをクリックすると、その影響元・影響先だけが光ります。

Possessedという発火点、Slayerという地盤

引き金を引いたのはPossessed(1983年結成)だ。彼ら自身はVenom、Exodus、Motörheadを主要な影響に挙げ、 Motörheadを聴いて「あれより重くできると思った」と語っている。この一段の重さが分水嶺だった。 DeathのシュルディナーはPossessedを最大の影響源に据え、同時にSlayerとVenomの路線を融合したかったと明かしている。 そのSlayerは系譜の地盤にあたる。Cannibal CorpseのAlex Websterが「スラッシュ勢の中でデスメタルが最も負っているのはSlayer」と言い切り、 Massacreのカム・リーも「設計図はSlayerから来た」と証言する。誰が起点かを巡って、名前は毎回この二つに帰ってくる。

Symbolic — Death
SymbolicDeath1995
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二つの震源:フロリダとストックホルム

アメリカ側はフロリダに束になって現れた。Death、Morbid Angel、Obituary、Deicideが狭い地域から同時に噴き出す。 Morbid AngelのTrey Azagthothは1986年時点でSlayer、Kreator、Celtic Frost、Possessedを愛聴盤に列挙しており、 Obituaryは同郷Celtic Frostの重さを重要な影響源に明記している。 一方スウェーデンでは、ストックホルム勢が米地下のテープを吸い込んで別の音に変えて返した。 Entombedの音はRepulsion、Autopsy、Death、Possessedを源に持つと評され、前身NihilistがそのままEntombedへ再編された系統として辿れる。

Altars of Madness — Morbid Angel
Altars of MadnessMorbid Angel1989
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Left Hand Path — Entombed
Left Hand PathEntombed1990
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チャック・シュルディナーという背骨

グラフでDeathを選ぶと、入る矢印と出る矢印の両方が突出しているのが見える。 PossessedとSlayerを受けて音を組み、メンバーが抜けるたびに枝が増えた。Chris ReifertはDeath脱退後にAutopsyを、 Rick RozzらはMantasを経てMassacreを、Paul MasvidalはDeath在籍を経てCynicを立ち上げている。 MonstrosityのGeorge Fisherは「Chuckのスクリームが最大の影響」と述べ、後年のDeathはテクニカル・デスメタルの四天王の筆頭と見なされる。 一人の書き手が、ジャンルの背骨そのものになった稀な例だ。

幹から伸びた四方の枝

デスメタルは内にも外にも分かれていく。イギリスではNapalm Death(Siege、Discharge、Repulsion由来)がグラインドコアの創始者とされ、 CarcassはゴアグラインドとHeartworkのメロディを同時に残し、メロディックデスのパイオニアと評される。 スウェーデンのイェーテボリではAt the Gates、In Flames、Dark Tranquillityがメロディックデスを定義し、 中でもAt the Gatesは「あの一枚なしに現代アメリカのメタルコアは存在しない」とまで言われ、Killswitch Engageらの最大の源流になった。 Suffocationのブレイクダウンはブルータルデスとデスコアへ、Deathやその周辺はテクニカルデスへ。各ノードをクリックすれば、その枝の先のシーンへ飛べる。

Slaughter of the Soul — At the Gates
Slaughter of the SoulAt the Gates1995
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出典(本人公言・評論の一部)