系譜メタル

フォーク/ペイガン/ヴァイキング・メタルの影響系譜

系譜
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このシーンは幹が二本ある。土着の旋律と神話をメタルに接いだ系譜は、スウェーデンのBathoryとイギリスのSkycladという別々の根から立ち上がった。 Bathoryは『Blood Fire Death』『Hammerheart』で北欧神話と荘厳な合唱に振り切り、ヴァイキングメタルというジャンルを創始したと見なされている。 Skycladはフィドルと民謡をメタルに編み込み、現存最初期のフォークメタルバンドとなった。 この二本が、ノルウェーのEnslaved、スウェーデンのAmon Amarth、アイルランドのCruachan、スイスのEluveitie、フィンランドのFinntroll/Korpiklaani、そして海賊メタルのAlestormへと枝を伸ばす。 年表ビューに切り替えれば、北欧と土着文化がメタルに溶けていく順番がそのまま縦に並ぶ。

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★ 大物 ルーツ 中核 子孫実線=本人公言 / 細線=評論 / 破線=派生
ノードをクリックすると、その影響元・影響先だけが光ります。

ヴァイキングの幹 — Bathoryが名指しされる

ヴァイキングメタルの祖はBathory(スウェーデン・1983年)だと見なされることが多い。ブラックメタルの過激さを北欧の題材へ折り曲げた『Blood Fire Death』『Hammerheart』が、ジャンルの起点とされる。 ただし北欧の題材そのものはもう少し前に萌芽していた。Manowarはヴァイキングを歌う重いビートをBathory以前から鳴らしていたと認めており、着想の一部はそこにさかのぼる。 Bathoryの重みは、後続バンドが口々に本人を名指しする形で確かめられる。Enslavedのグルトゥヴェット・キェルソンはBathoryを影響元に挙げ、MoonsorrowはBathoryを「唯一の大きな影響」と明言し、Amon Amarthも影響源にBathoryを数える。 矢印がここまで一点に集まるノードは珍しい。力学ビューで見れば、上流の起点がBathoryに固まっているのがわかる。

Hammerheart — Bathory
HammerheartBathory1990
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Twilight of the Thunder God — Amon Amarth
Twilight of the Thunder GodAmon Amarth2008
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フォークとケルトの幹 — Skycladから引く血

もう一本の幹はSkyclad(1990年)だ。元Sabbatのスラッシュ出身メンバーがフィドルと伝統旋律をメタルに持ち込み、現存最初期のフォークメタルバンドとされる。 アイルランドではCruachanのキース・フェイが「Skycladに触発された」と語り、同時に「Horslipsは巨大な影響」とも公言している。1970年結成のケルティック・ロックHorslipsが、20年後のメタルに血を通わせた格好だ。 そのCruachanの"Tuatha na Gael"がケルトメタルの礎とされ、Waylander、のちにEluveitieへと系譜が続く。 フォークの幹は「本人が触発を公言する枝」と「シーンの礎と評される枝」が絡み合っている。ノードをクリックすれば、その区別が出典の温度差として読める。

フィンランドの爆発、ドイツの中世、そして海賊

2000年代、フォークメタルはフィンランドで一気に大衆化する。その人気爆発を牽引したのがFinntroll(ブラックメタルとフムッパの婚姻)で、Korpiklaaniのヨンネ・ヤルヴェラは「Finntrollがフォークからメタルへの移行の触媒だった」と証言している。 スイスのEluveitieはヨーテボリ式メロディックデスメタルにケルト民謡を融合して続いた。ドイツではSubway to SallyとIn Extremoが中世メタルの波を起こす。 海賊という枝も独立している。Running Wildが『Under Jolly Roger』で海賊コンセプトを確立し、AlestormがそのRunning Wildの先駆性に敬意を払いながら、海賊メタルの人気を復活させたと評される。 二本の幹から伸びた枝は、いまや国ごとに別の色をまとう。各ノードをクリックすれば、その枝の先のバンドと出典へ飛べる。

Slania — Eluveitie
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出典(本人公言・評論の一部)