ジャズの影響系譜
ジャズは、誰が誰から受け取ったかが本人の口で最も濃密に記録された音楽だ。 ディジー・ガレスピーは「ルイ・アームストロングがいなければ、ディジー・ガレスピーは存在しなかった」と直系の祖を認め、 コルトレーンは初めてチャーリー・パーカーを聴いて「目と目の間を撃ち抜かれた」と語った。 下のグラフは、アームストロング & エリントンの源流からビバップ、モードを経て、 フリージャズ & フュージョン、そしてケンドリックまで届く現代ジャズの配線を、本人と評論の言葉で辿る。
スウィングからビバップへ - 受け渡される音
ジャズの幹は、テナー奏者の音色を誰が受け取ったかで辿れる。 パーカーの初期様式に最も大きく影響したのは、スウィングのテナー革新者レスター・ヤングだったと見なされている。 そのヤングの柔らかな音色を「主要な源」と公言したのがスタン・ゲッツで、コルトレーンもヤングの奏法を継いだと本人が認めている。 一方、ソニー・ロリンズはアイドルのコールマン・ホーキンスに影響され、1946年にテナーサックスへ転向した。 こうして受け渡された音が、1940年代初頭のミントンズでガレスピー、モンク、パーカーの手にビバップとして結ばれる。

結節点のCharlie ParkerとMiles Davis
矢印が最も交差するのがCharlie ParkerとMiles Davisだ。 パーカーはコルトレーンを「撃ち抜き」、オーネット・コールマンにも受け継がれた。「クロノロジー」はパーカーへのオマージュだと本人が語っている。 若きマイルスは19歳でパーカーのビバップ・クインテットに加わり、そこから自らが結び目になっていく。 マイルスはジョージ・ラッセルのリディアン・クロマティック概念とビル・エヴァンスの参加に影響され、『カインド・オブ・ブルー』でモードを実現したとされる。 『ビッチェズ・ブリュー』からはWeather ReportとMahavishnu Orchestraが枝分かれし、フュージョンの発射台になった。

ヒップホップへ流れ込む現代ジャズ
コルトレーンの前衛と非西洋伝統の融合の上に築かれたスピリチュアル・ジャズは、ファラオ・サンダースが発展させたとされる。 Kamasi Washingtonは「マイルスを経てコルトレーンに辿り着き、その音楽が自分の方法を大きく変えた」と語り、デビュー作『ジ・エピック』でサンダースら先達を継いだと公言する。 そのワシントンは、Kendrick Lamarの『To Pimp a Butterfly』の編曲とサックスで世界的評価を得た。 Robert GlasperはHerbie Hancockを「最も強い影響」と挙げ、同時にヒップホップのJ Dillaを作品で称えている。 一度バラバラに枝分かれしたジャズの川が、現代のブラック・ミュージックでまた一つに合流している。各ノードをクリックすれば、その枝の先のページへ飛べる。

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出典(本人公言・評論の一部)
- Jelly Roll Morton → Duke Ellington:出典(モートンは最初の真のジャズ作曲家とされ、デューク・エリントンら後続のピアニスト・編曲家に影響を与えた。)
- Louis Armstrong → Dizzy Gillespie:出典(ガレスピーは「アームストロングがいなければディジー・ガレスピーは存在しなかった」と語り直接の祖と認めた。)
- Louis Armstrong → Roy Eldridge:出典(エルドリッジはアームストロングの直系であり、アームストロングの即興はそれ以後のすべてのジャズ奏者に影響を与えた。)
- Roy Eldridge → Dizzy Gillespie:出典(ガレスピーは自著でアームストロングとエルドリッジが自分のトランペット奏法に与えた影響を語った。)
- Coleman Hawkins → Sonny Rollins:出典(アイドルのコールマン・ホーキンスに影響され、ロリンズは1946年にテナーサックスへ転向した。)
- Lester Young → Charlie Parker:出典(パーカーの初期様式に最も大きく影響したのはテナー革新者レスター・ヤングだった。)
- Lester Young → Stan Getz:出典(ゲッツの温かく叙情的な音色の主要な源は、アイドルであるレスター・ヤングの柔らかな音色だった。)
- Lester Young → John Coltrane:出典(ヤングの奏法はコルトレーンやスタン・ゲッツら多くの名手に影響を与えた。)
- Charlie Parker → Dizzy Gillespie:出典(ビバップの発展はガレスピー、パーカー、モンク、バド・パウエルらに大きく帰せられる。)
- Charlie Parker → Thelonious Monk:出典(1940年代初頭、ガレスピー、モンク、パーカーらがミントンズで集まりビバップを創出した。)
- Thelonious Monk → Charlie Parker:出典(モンクの奇妙で予測不能なハーモニーがパーカーとガレスピーの非対称なラインの誕生を助けた。)
- Charlie Parker → Miles Davis:出典(若きマイルスは19歳でパーカーの先駆的なビバップ・クインテットに加わった。)
- Charlie Parker → John Coltrane:出典(コルトレーンは初めてパーカーを聴いて「目と目の間を撃ち抜かれた」と語り、バードを偶像とした。)
- Charlie Parker → Ornette Coleman:出典(コールマンの「クロノロジー」はチャーリー・パーカーへのオマージュで、その短い断片的なフレーズは巨匠を彷彿とさせる。)
- Dizzy Gillespie → John Coltrane:出典(1949年にガレスピーから楽団参加の招きを受け、コルトレーンはその挑戦に応える準備ができていたと振り返った。)
- Bud Powell → Bill Evans:出典(エヴァンスはパウエルを「ジャズの場で聴いた中で最も包括的な才能」と評した。)
- George Russell → Bill Evans:出典(エヴァンスはニューヨークで理論家ジョージ・ラッセルと共演・録音し、その思想を吸収した。)
- George Russell → Miles Davis:出典(ラッセルのリディアン・クロマティック概念に影響され、マイルスは最初のモード作品を実現した。)
- Bill Evans → Miles Davis:出典(1958年に加入したビル・エヴァンスに部分的に影響され、マイルスはモードへの実験をさらに推し進めた。)
- Gil Evans → Miles Davis:出典(編曲家ギル・エヴァンスが「クールの誕生」セッションの音楽に形を与えた。)
- Duke Ellington → Charles Mingus:出典(ミンガスはエリントンに影響され、その和声革新とスウィングをブルースや不協和音に接ぎ木した。)
- Thelonious Monk → John Coltrane:出典(1957年のモンクとの長期共演がコルトレーンの音楽的飛躍に決定的な意味を持った。)
- Ornette Coleman → John Coltrane:出典(コルトレーンは晩年コールマンの前衛に関心を寄せ、その楽団員とコールマンの曲を録音した。)
- Miles Davis → John Coltrane:出典(コルトレーンはマイルスのバンドで開花し、二人は陰と陽として並び称された。)
- Miles Davis → Herbie Hancock:出典(ハンコックはマイルス・デイヴィス・クインテットに加わり、ポストバップ・サウンドの主要な設計者の一人となった。)
- Bill Evans → Herbie Hancock:出典(ビル・エヴァンスとクレア・フィッシャーはハンコックの和声概念に大きな影響を与えた。)
- Miles Davis → Weather Report:出典(ウェザー・リポートのデビュー作はザヴィヌルとショーターが「ビッチェズ・ブリュー」で開拓した前衛的実験を発展させた。)
- Miles Davis → Mahavishnu Orchestra:出典(マハヴィシュヌ・オーケストラを率いたマクラフリンらは「ビッチェズ・ブリュー」の参加者から出発した。)
- Wayne Shorter → Weather Report:出典(ウェザー・リポートは元マイルス共演者のザヴィヌルとウェイン・ショーターによって結成された。)
- Joe Zawinul → Weather Report:出典(ウェザー・リポートはキーボード奏者ジョー・ザヴィヌルとショーターが結成した。)
- John McLaughlin → Mahavishnu Orchestra:出典(マハヴィシュヌ・オーケストラはジョン・マクラフリンがビリー・コブハムらと結成した。)
- Miles Davis → John McLaughlin:出典(マクラフリンはマイルスの「ビッチェズ・ブリュー」群から高名なキャリアへ進んだ参加者の一人だった。)
- John Coltrane → Pharoah Sanders:出典(スピリチュアル・ジャズはコルトレーンの前衛と非西洋伝統の融合の試みの上に築かれ、サンダースらが発展させた。)
- Herbie Hancock → Robert Glasper:出典(ハンコックはグラスパーの最も強い影響であり、ニュースクール時代にそれを深めた。)
- J Dilla → Robert Glasper:出典(グラスパーはJ・ディラらと並ぶヒップホップ/ネオソウル運動の渦中に身を置き、作品でディラを称えた。)
- John Coltrane → Kamasi Washington:出典(マイルスを経てコルトレーンに辿り着き、その全身全霊の音楽がワシントンの方法を大きく変えた。)
- Pharoah Sanders → Kamasi Washington:出典(ワシントンのデビュー作「ジ・エピック」はサン・ラーやファラオ・サンダースらスピリチュアル・ジャズの先達を継いだ。)
- Kamasi Washington → Kendrick Lamar:出典(ワシントンはケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」の編曲とサックスで世界的評価を得た。)