系譜ジャズ/ルーツ

カントリー/フォークの影響系譜

系譜
▶ この系譜を旅するExplore

アメリカのカントリーとフォークは、二本の別の川ではない。同じ源流から流れ出て、Hank Williamsという一つの結び目で何度も交差する一枚の水系だ。 1927年に録音を始めたJimmie RodgersとThe Carter Familyがその上流に立ち、ここからHank Williams、Johnny Cash、Bill Monroeへ枝が伸びる。 同じ源流から、Woody Guthrieがフォークの流れを引き受け、Pete Seegerを経てBob Dylanへ落ちていく。 この幹はやがてロックへ二本の橋を架け、下流でアウトロー・カントリーとオルタナ・カントリーに分岐する。 年表ビューに切り替えれば、1927年から1994年までの流れがそのまま縦に伸びて見える。

スクロール/ピンチで拡大・ドラッグで移動
★ 大物 ルーツ 中核 子孫実線=本人公言 / 細線=評論 / 破線=派生
ノードをクリックすると、その影響元・影響先だけが光ります。

源流 - RodgersとGuthrie

グラフで最も多く矢印を出すのがJimmie RodgersとWoody Guthrieだ。 Bill Monroeは1938年、Rodgersの「ミュール・スキナー・ブルース」でグランド・オール・オープリーのオーディションに合格し、彼を影響源に挙げている。 Merle Haggardは1969年にRodgersへの献辞盤を出してその遺産を称え、Johnny Cashは幼少期にラジオでRodgersとThe Carter Familyに触れて育った。 一方のGuthrieはそのCarter Familyのゴスペル録音に強く影響され、その旋律を自作に転用したと語っている。 カントリーの祖とフォークの祖は、この最初期にすでに音を共有していた。

Hank Williamsという結び目

この系譜の中心にHank Williamsがいる。Williamsは自身がRodgersのファンで、その田園的な作風を取り込んだと伝わり、下流には矢印を大量に放つ。 Johnny Cashは複数のアーティストと並べてWilliamsの影響を認め、Waylon Jenningsは「アウトロー・ヒーロー、基準を定める存在がいたとすればHank Williamsだった」と語っている。 Merle Haggardは家のレコードでBob Willsと並んでWilliamsを聴いて独学した。 そしてBob Dylanは「ガスリーの曲が宇宙を支配する前は、Hank Williamsが一番好きなソングライターだった」と公言している。 カントリーの本道もフォーク・リバイバルも、この一点で交差する。

40 Greatest Hits — Hank Williams
40 Greatest HitsHank Williams1978
Amazon楽天
At Folsom Prison — Johnny Cash
At Folsom PrisonJohnny Cash1968
Amazon楽天

ロックへの二本の橋

この幹はロックへ二本の橋を架ける。一本目はBob Dylanだ。The Byrdsが1965年にDylanの「ミスター・タンブリン・マン」をエレクトリックに仕立て、フォーク・ロックという下位ジャンルが生まれた。 二本目がGram Parsons。彼はThe Byrdsのカントリー作『ロデオの恋人』を強く方向づけ、Keith Richardsと親交を深めてThe Rolling Stonesをカントリーへ目覚めさせ、The Flying Burrito BrothersでEaglesへの道を開いたと評される。 Eaglesのグレン・フライは、トルバドールでBurrito Brothersを研究しハーモニーを学んだと回想している。 カントリーとフォークの源流が、ここでロックの本流と合流する。

Bringing It All Back Home — Bob Dylan
Bringing It All Back HomeBob Dylan1965
Amazon楽天

下流 - アウトローとオルタナ

下流で幹は二つの現代的な枝に分かれる。一つはアウトロー・カントリーで、Waylon JenningsとWillie NelsonはBob WillsやHank Williamsら先人を源流とする。 もう一つがオルタナ・カントリーだ。Uncle Tupeloは「Woody Guthrieから始まりFlying Burrito Brothersに至る」影響を公言し、解散後にその灰からWilcoとSon Voltが生まれた。 Townes Van Zandtの系列では、Steve Earleが彼を師と仰ぎ「世界一のソングライターだ」と言い切っている。 各ノードをクリックすれば、その枝の先のページへ飛べる。

出典(本人公言・評論の一部)